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I am a SOLIST から巣立った演奏家たち Vn:岸本萌乃加、Cl:西崎智子、Pf:梅村知世 [コンサート感想]

Jホールレインボーコンサート Vol.57
「I am a SOLIST」 から巣立った演奏家たち
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ヴァイオリン:岸本萌乃加
 イザイ/無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番から、第1,2,4楽章
 モンティ/チャルダッシュ
クラリネット:西崎智子
 ウェーバー/グランド・デュオ・コンチェルタント変ホ長調
ピアノ:梅村知世
 シューマン/アラベスク
   〃  /幻想小曲集から飛翔
 ショパン/バラード第1番ト短調
 ショパン/英雄ポロネーズ
 シューマン(リスト編曲)/献呈
トリオ
 ミヨー/クラリネット、ヴァイオリンとピアノのための組曲
2018年8月21日 岡山大学Jホール
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 「I am a SOLOST」というのは、オーディションを経て、岡山フィルをバックに、岡山シンフォニーホールでコンチェルトを演奏するという企画。オーケストラをバックに最初で最後のつもりで出演するもよし、将来を嘱望される地元のジュニアや若手奏者たちが登場するもよし、非常に間口が広いイベントだが、今回のJホールでのコンサートでは、将来を嘱望され登場した地元のジュニアや若手奏者たちのうち、本当にプロの「SOLOIST」として飛び立った人たちが登場した。
 岸本さんはジュニアの頃からすでに地元では、その豊かな才能が話題で、岡山フィルだけでなく、岡響や倉管といった地元のアマチュア・トップオケのソリストに招聘されて、すでにファンが多く付いている。日本音コン3位という実績もある。
 イザイの2番ソナタを聴き、「これは、すでにプロ・オーケストラ奏者として呼ばれても充分に仕事が出来る方だな」と感じた。高音の抜けが良く、一方で低音の響きが太くて、彼女の演奏でブラームス、あるいは十八番のシベリウスのコンチェルトを聴いてみたい!と思わされた(岡山フィルの定期演奏会への招聘を!ぜひ!)。
 将来はソリスト1本で行かれるのか、室内楽かあるいはオーケストラへの就職を目指すのか、今ちょうど岐路に立っているところかもしれない。出来れば、国内外の有力オーケストラのコンマスとして活躍しつつ、ソリストとしても活躍して岡山でも年に1回はリサイタルを開いてほしいと思う。
 西崎さんは、中高生時代から地元岡山の管楽器サークルの中で名前が知られた存在だったそうだが、現在は東京を拠点に活躍され、時々岡山フィルにも客演されていた。今年10月には正式に岡山フィルの初代クラリネット首席奏者に就任予定。
 演奏されたウェーバーの「グランド・ヂュオ・コンチェルタント」は、音源も含めて初めて聴いた。西崎さんご自身「ピアノパートが本当に大変で」と仰っていたが、クラリネット・パートもなかなかに大変そう。しかし万全のテクニックで堂々たる演奏。クラリネットの表情豊かな世界を堪能した。クラリネット協奏曲ぐらいしか知らなかったウェーバーの作品がもっと身近になった。
 岡山フィルも、西崎さんのような首席奏者の技を、一般市民に向けて、発表する場を設けてほしい(今年の岡山国際音楽祭では、岡フィルの方々の出番がかなり増えたが、全然足りない)、プロのクラシック音楽の奏者の集客力の凄さは、大阪クラシックなどのイベントで証明済み。仕掛け方次第だと思う。
 話を戻すと、彼女のような実力の持ち主を首席奏者として招聘出来て、岡山フィルの将来が本当に楽しみです。
 最後は、梅村さん。すでにCDも発売、大阪の名門ホール、ザ・シンフォニーホール主催公演のリサイタルにも出演されている。
 与えられた持ち時間(恐らく30分)を最大限に生かして、ショパンのバラード1番を中心に据えたシンメトリーな構成で、聴衆に強烈な印象を残した。
 フォルテシモの場面では、ピアノが鳴る、というよりステージの床ごと鳴る迫力、それでも常に気品を湛えた表現に魅了された。良きピアノ聴き・ショパン聴きではない自分だが、ショパンの余りにも甘くてロマンティックな世界に没入しすぎることがない梅村さんの演奏は、ショパンが苦手な僕のような、『聴き手が置いていかれる』ことが無かった。
 最後はクラリネット・ヴァイオリン・ピアノによるトリオでのミヨー/クラリネット、ヴァイオリンとピアノのための組曲。一度生演奏で聴いてみたかった曲で(大阪クラシックで、ブルックス・トーンさんらの公演に行くつもりで予習までしていたが、聴きに行けなかった・・・)、映画音楽のようなとても聴きやすい曲。生演奏で聴いてみると、巧みな和音構成で飛翔感・透明感があり、一気に好きになった。
 3名とも、演奏も素晴らしかったうえに所作や雰囲気に輝きが感じられ、テクニックや表現力だけでなく、プロとして成功するためには、最後は人間力、人を魅了する力だと思った。お昼下がりの軽めのコンサートという企画だったが、3名の方の誠実な演奏に立ち去りがたい思いに駆られ、大学内の図書館に併設されているカフェで、しばし余韻に浸った。
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