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NHK交響楽団岡山公演 ヴァルチュハ指揮 Vn諏訪内晶子 [コンサート感想]

NHK交響楽団岡山公演

ウェーバー/歌劇「オベロン」序曲
サン=サーンス/ヴァイオリン協奏曲第3番
チャイコフスキー/交響曲第6番「悲愴」 

指揮:ユライ・ヴァルチュハ
ヴァイオリン独奏:諏訪内晶子
コンサートマスター:篠崎史紀

(3月7日追記)

 流石にN響、集客力有ります。ド平日の月曜日の夜のコンサートだというのに客席は満員でした。
 しかし客席の集中力はあまりよろしくなかった・・・・。演奏中の私語、飴を向く音、カバンに着けた鈴の音が常に鳴る・・・、かなりひどかったなあ・・・。先月の岡山フィルのヨハネ受難曲の静寂を極めた客席はなんだったんだ!と思うようなひどい状態でした。主催者のNHKの方もかなりの人数を動員して、注意喚起していたのですが。

 コンマスはMAROさん。僕は、もう一人の方よりもこの方がコンマスに座る方がいい演奏をするように思うので、心の中で「ラッキー!」と思ってしまった(苦笑) 
 久しぶりに聴くN響。やっぱり上手いなあ・・・と思いました。どのパートも首席奏者とトゥッティ奏者の差が無くて、弦5部なんか本当に木目の細かい統一感のある音を出します。あと、1曲目の序曲からビシッと決めて来るんですよね。オケによっては、メイン・プロはズバッ決めてくれても、1曲目はまだまだウォーミング・アップ、な演奏のことがありますもんね。N響はそういうことがほとんどないんですね。
 ってなわけで、1曲目のウェーバーのオベロン序曲から、ビシッと決めてくれたわけです。ヴァルチュハという指揮者、オケを歌わせるのが上手いという印象を持ちました。
 1曲目と2曲目は、12型の通常配置の2管編成でした。メインのチャイコフスキーは2人づつ増員されて14型の編成。

 サン=サーンンスのVn協奏曲第3番。諏訪内さんのソロの演奏を聴くのは実に15年ぶりぐらい?かつてのように超絶技巧で圧倒するというだけではなく、音のまろやかさや味わい深さ、音楽の世界の深みで勝負されている感じです。
 第1・3楽章はさすがの存在感でグイグイ引っ張っていく一方で、第2楽章ではオケとの対話をしながら、揺りかごで眠らされているような夢のような心地よい世界で包む。ストラドのドルフィンの音を堪能しました。
 アンコールはバッハの無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番からアンダンテ。絶品!

 メインのチャイコフスキーの『悲愴』は、正直、僕の期待する「悲愴」とは全く違いましたが、たいへんな熱演であったことは間違いないです。この指揮者、弦の音のうねりを引き出すのが上手い!第1楽章の再現部~終結、そして5拍子の第2楽章でのカンタービレの利かせかたには惚れ惚れしました。一方で、第1楽章提示部や第4楽章のような場面では、響きが明るすぎて、絶望の果ての暗さという感じでな無かった。だから、「悲愴」よりも5番やシェヘラザードとかの方が合うんじゃないかな?と思ってしまいました。
 奏者では、特に元大フィルの宇賀神さんがすばらしく、ヴァルチュハも真っ先に立たせて讃えていましたね。

IMAG0832.jpg
※開演前 
一つ、物足りなさを感じるとすれば・・・
 音は痛快なほどに鳴っていましたし、金管も見事というほかないノーミスの演奏でしたが、なんていうんでしょう・・・・客席を圧していくような音の圧力、あるいは美音の洪水の中に身を委ねて頭が真っ白になるような・・・・そういう感じはなかった。これは以前同じ会場で聴いたN響の、下野竜也指揮のフランクの交響曲の時もそうだったし、アシュケナージ指揮の英雄の生涯の時も思った、90%の理性的な満足感と、あと10%の感覚的な物足りなさ。それを今回も感じてしまったというか。。。あまり僕はN響とは相性が良くないんでしょうね。

 去年、倉敷で聴いたパリ管や、昔の事になりますが同じ会場のほぼ同じ席で過去に聞いた、フランクフルト放送響やサンクトペテルブルグ・フィルの演奏は、音圧に圧され、音の波の中で頭が真っ白になるような瞬間が、確かにあったのです。N響は世界でも10指とはいえないまでも、30指に入るオーケストラですから、やはりそういう瞬間に出会えるのでは?と期待してしまうんです。
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コメント 7

angela

こんばんは。
うわぁ、こちらのコンサートをお聴きになったのですね。
わたくし、諏訪内晶子さんの演奏を生で聴いた事がないんです。
大阪にも来てもらいたかったです。
感想を読ませて頂くのを楽しみにしています。
by angela (2014-03-04 22:50) 

ヒロノミンV

>angelaさん
 こんにちは~
 数年前まではN響の岡山定期というこのがあって、年に1回は聴けたんですが、今回は久々の岡山での公演で、会場は満員でした。
 諏訪内さんのヴァイオリンはサン=サーンスという曲の性質もありますが、本当に味わい深い音で、ストラドのドルフィンの音を堪能しました。
 N響はため息しか出ないほど、完璧な演奏で、地方公演でも1曲目から手を抜かないプロ意識に感服しました。
by ヒロノミンV (2014-03-07 11:11) 

かず

はじめまして。私もこの日一階後ろの方で聴いていました。N響は初めて、というか、国内のオケは敢えて避けていたのですが、素晴らしかった!すっかりN響のファンになりました。ヒロノミンVさんには合わなかったとのことですが、私は悲愴の一楽章第二主題部あたりから涙を流しながら、音楽の中にひたすら身を委ねる幸せな時間でした。楽章間をほとんど休まなかったのは3、4間の拍手を防ぐためだったのでしょうか?後半、こちらの集中がやや途切れてしまいました。26年前に倉敷で聴いたヤンソンスとレニングラードフィルは3楽章後の拍手がひどかった…。今回は最後、ヴァルチュハさんが腕をおろし切るまで余韻を楽しめてよかったです。スイスロマンドも行きたいのですが、検討中です。
今後ものぞきにきますので、コメント楽しみにしています。
by かず (2014-03-08 09:25) 

ヒロノミンV

>かずさま
 こちらこそ、はじめまして、コメント感謝します。
 僕が思っていたのと違った、というのは僕の中の「悲愴」のイメージと異なっていた、ということでありまして、演奏は極めて高水準だったことは間違いないと思います。第1楽章~第2楽章にかけてのうねりを伴った弦の歌わせ方には感服しました。さすがN響だと。
 第3・第4楽章をアタッカ気味に演奏するというのは他の演奏でもしばしば聞かれるのですが、今回は第1・2楽章も、舞台や客席の緊張感が弛緩する前に一気に演奏されたのが印象的でした。
 おっしゃる通り、第4楽章のあとの静寂は良かったですね(個人的には、その静寂を劈くようなブラボーが残念ではありました)。
 こうしてブログにアクセスして頂いて、コメントまで頂けると励みになります。どうぞ今後も覗いてやってください、よろしくお願いします。
by ヒロノミンV (2014-03-08 22:36) 

てがた

このコンサート、私も行くことができました。
サンサーンスのバイオリン協奏曲第3番は、私が初めてN響コンサートに行った時の曲でして、実に思い出深い曲です。生演奏で聴いたのはそれ以来ですから、30年ぶり以上になります。CDで聴くとそれほど思っていなかったのですが、生で観ると演奏はとてもむずかしい曲だということがよく分かりました。諏訪内さんの演奏は良かったですね・・・。
by てがた (2014-03-17 19:26) 

ヒロノミンV

>てがたさん
 こんばんは、てがたさんも行かれていましたか!
 サン=サーンスのVN協3番は、いつか聴いてみたいと思っていたんですが、諏訪内さんの美しい音で聴けて至福の時間を味わいました。仰る通り、生演奏で聴くと相当に高度なテクニックを要するんですね。
 N響も盤石の伴奏でしたね。
by ヒロノミンV (2014-03-19 20:36) 

サンフランシスコ人

来年、諏訪内晶子がニュージャージー交響楽団に登場....

http://www.njsymphony.org/events/detail/tchaikovskys-violin-concerto

Fri, May 15 8:00 pm
Richardson Auditorium in Princeton

Sat, May 16 8:00 pm
New Jersey Performing Arts Center in Newark

Sun, May 17 3:00 pm
State Theatre New Jersey in New Brunswick

ANDREY BOREYKO conductor
AKIKO SUWANAI violin

MASON BATES Attack Decay Sustain Release (NJSO Premiere)
TCHAIKOVSKY Violin Concerto
SHOSTAKOVICH Symphony No. 10
by サンフランシスコ人 (2019-05-04 07:53) 

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