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岡山大学交響楽団 2017サマーコンサート [コンサート感想]

岡山大学交響楽団 2017サマーコンサート
ムソルグスキー(R=コルサコフ編)/交響詩「禿山の一夜」☆
チャイコフスキー/バレエ音楽「眠れる森の美女」より
  ~ 休 憩 ~
ベートーヴェン/交響曲第3番変ホ長調「英雄」
指揮:保科洋、秋山隆(☆のみ)
2017年7月22日 岡山シンフォニーホール

 前半の「禿山の一夜」と「眠れる森の美女」は、オーケストラもよく鳴っているうえに、岡大オケ伝統のダイナミクスの振幅を大きくとった、ドラマティックな演奏。技術的にもまったく非の打ちどころのない演奏だった。特に眠れる森の美女は、学生オケとは思えない、弱音部の安定感のある演奏と、トゥッティでの「これぞチャイコフスキーの音!」と思わせる、パワフルな金管と、それに押されない弦の鳴りっぷり、木管の豊かな響きと切れ味抜群の打楽器、それらを高次元でミックスさせたハーモニーと迫力に唸った。プロ顔負けの演奏を聴かせた。

 チャイコフスキーとベートーヴェンを指揮した保科先生は、今年4月に脳出血で倒れ、6月まで入院されていたとのこと。ほとんど退院直後の状態での登壇で、現在も左半身の自由がきかない状態での指揮であったが、発せられる「気」「パワー」には物凄いものがあった。しかも、暗譜での指揮。ふつう、この状態だと立ってるだけでも辛いはずなのに、なんという凄い方なのだ、と改めて尊敬の念を強くした。
 
 後半のベートーヴェンの英雄に入ると、チャイコフスキーのようにはいかなかったが、低音から高音へとピラミッド状に音を積み上げていくような、ベートーヴェンの音がしっかりと聞こえたのはさすが。この曲の持つ疾走感やドラマチックさ、保科先生と学生たちの共同作業で作り上げた、自然礼賛・生命肯定的な音楽世界に心を動かされた。
 ホルンやオーボエ、クラリネットのソロも見事なもので、若いからこそ吹ける切なさにあふれていた。12月はマーラーの5番を取り上げるようですが、保科先生のご快復を心よりお祈りするとともに、オーケストラの皆さんの奮闘を期待して待ちたいと思います。

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アンサンブル・レ・ペッシュ [コンサート感想]

アンサンブル・レ・ペッシュ 郷土岡山が生んだ4人のオーボエ奏者による珠玉のアンサンブル


ヘンデル/オラトリオ『ソロモン』より「シバの女王の入城」
ヴラニツキ/2本のオーボエとイングリッシュホルンのための三重奏曲ハ長調
ヴィラ=ロボス/オーボエとファゴットのための二重奏曲
 ~ 休 憩 ~
モーツァルト/ディベルティメント第8番
ムソルグスキー/組曲『展覧会の絵』

板谷 由起子(広島交響楽団首席)
津上 順子(瀬戸フィルハーモニー交響楽団)
沼 佳名子(岡山フィルハーモニック管弦楽団)
近藤那々子(フランクフルト歌劇場管弦楽団首席)
児玉 光生(ファゴット、南西ドイツフィルハーモニー)

2017年7月21日 ルネスホール


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 会場は満員でした。勉強のために聴きに来た高校生たちが座る座席が無く、地べたに座らされているほどの満員。
先日の岡山フィルと言い、岡山のクラシック音楽界、盛り上がって来てます。

 それもこれも、このオーボエ4本+ファゴトット1本のアンサンブルのハイレベルなのを皆さんご存知だからだろう。


  1曲目のハイドンから、この5名の抜群のアンサンブルに夢見心地にさせられます。2曲目のヴィラニツキはモーツァルトの親友とのこと、作風はバロックの雰囲気を残しつつも典型的な古典派の作風で、聴きやすいうえになかなかの佳曲。この曲は板谷さん、津上さん、沼さんの瀬戸内海を挟んだ3つのオーケストラの奏者の共演となりましたが、長く仕事を一緒にしている仲間のように息がぴったり合っていて、特に和音の響きに魅了されました。
 3曲目のヴィラ=ロボスは、ドイツで活躍する2名による二重奏。2つの楽器が独立して動く場面が多く、丁々発止の掛け合いあり、超絶技巧ありの難曲の筈ですが、この2人にかかれば軽々と演奏してしまう。


 後半に入って会場はびっしり満員。モーツァルトのディベルティメントの和音も本当に心地よい、モーツァルト独特のメロディー末尾の洒落たトリルをサラッと演奏してしまうところがカッコイイ。
 そして最後は木管の室内楽としては大曲の「展覧会の絵」。ムソルグスキーのピアノ曲というよりも、ラベルのオーケストラ編曲版をベースにしているように思いますが、オーボエ、オーボエ・ダ・モーレ、イングリシュホルン、ファゴットだけで、これほどの色彩を生み出せるのか!と驚愕することしきり。
 印象に残ったのは、オーボエ・ダ・モーレ、イングリッシュホルン、ファゴットだけで演奏された「古城」のメランコリックな空気、そして近藤さんの技巧が光った「殻付きのひなの踊り」や「リモージュの市場」、あのラベルの編曲版の色彩がオーボエ属だけで見事に表現。コンサートとして大変満足度が高いばかりか、希少な経験をさせていただきました。
 次回も管弦楽曲ベースの曲を、敢えてのオーボエ属・ファゴットのみの演奏で聴きたいですね。

 アンコールに、津上さんのご子息の真音さんの編曲によるリベルタンゴ、次回は真音さん作曲の楽曲もプログラムに載せるそうで、これも楽しみです。

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傑作浮世絵揃い踏み ―平木コレクション― 岡山県立美術館 [展覧会・ミュージアム]

傑作浮世絵揃い踏み ―平木コレクション―

岡山県立美術館
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 あれも、これも、それも、見たことがある浮世絵ばかりが一堂に会しています。有名な作品だからこそ、本物を見る価値がいっそう増します。
 会期初日の割には、客足がイマイチな印象でしたが、これこそ夏休み中のお子さんを連れて行くのにぴったりな展覧会は無いと思います。



--岡山県立美術館HPから---------------

「浮世絵」は江戸の町人社会を中心に、庶民の好みや流行に合わせ、木版画で量産され盛行しました。浮世絵で描かれる美人画・役者絵・風景画といった主題は、当時の時代の先端をいく風俗を表現したものです。印象派の画家たちに大きな影響を与えたことは有名ですが、現在も世界中に浮世絵ファンは多く、高い人気を誇っています。

その中で、わが国を代表する浮世絵コレクションの一つとして知られる平木コレクションは、作品数約6000点に及ぶ膨大なもので、本展はその中から選りすぐりの200点を出品します。歌川広重の代表作「保永堂版・東海道五十三次」シリーズ初摺全点をはじめ、菱川師宣・鈴木春信・喜多川歌麿・東洲斎写楽・葛飾北斎ら有名な浮世絵師たちの作品のほか、後に津山藩御用絵師となった北尾政美(鍬形蕙斎)「浮絵仮名手本忠臣蔵」全11枚、橋口五葉・川瀬巴水ら近代の版画家にいたるまで、多彩な作品群で浮世絵の魅力を余すところなく紹介します。重要美術品15点を含む、浮世絵の傑作の数々を存分にご堪能ください。

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 歌川広重の「東海道五十三次」の『初摺り』と「仮名手本忠臣蔵」がすべて見られ、富嶽三十六景の神奈川沖浦や、喜多川歌麿の美人画もいくつか展示。著名な近世浮世絵作家をほぼ網羅しており、浮世絵の技法を受け継ぐ明治期の版画も展示されており興味深いです。

 子供の頃、永谷園のお茶漬けに入っている「東海道五十三次」のカードを集めていたことがあって、当時の懐かしい思い出が思い出される一方で「ここまで細密にかかれていたのか」という新たな驚きもありました。

 あと、仮名手本忠臣蔵には、先日、「ブラタモリ」の祇園編で紹介された「一力茶屋」の場面も描かれており、興味をそそりました。

 歌川国芳の「源頼光公館土蜘蛛作妖怪図」はたいへん見応えがあり、昨年の「国芳・国貞展」を、やはり見ておくべきだったなあ(神戸でやってたんですよね)と後悔。


 これだけ一堂に会すればこそ、この中から自分のお気に入りの作家さんを見つめるのもいいかもしれません。僕は、断然、国芳です。でも、今回は点数が少なかった~
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岡山フィル第53回定期演奏会 指揮:三ツ橋敬子 Hr独奏:シュテファン・ドール [コンサート感想]

岡山フィルハーモニック管弦楽団第53回定期演奏会

ブラームス/悲劇的序曲

R.シュトラウス/ホルン協奏曲第2番
 ~ 休憩 ~
ブラームス/交響曲第3番

指揮:三ツ橋敬子
ホルン独奏:シュテファン・ドール
ゲストコンサートマスター:山本友重


 恐らく、この日のコンサートを聴いたほとんどの方は「シュテファン・ドールのホルン!!これに尽きる!!」そう言うでしょう。今回で2回目のドールのホルン、音が鳴った瞬間に思わずのけ反ってしまう凄い音!

 それも、コンチェルトだけでなく、後半プログラムの交響曲にまで1番ホルン奏者として演奏してくださり、その存在感は絶大でした。


 会場の入りは8割ぐらいでしょうか?3階席の様子は見てませんが、客席はかなり埋まっていたようです。編成はいずれの曲も12型のストコフスキー配置。1stVn12→2ndVn10→Vc8→Va8、コントラバスは上手奥に6。シェレンベルガーはチェロをアウト側に配置しますが、三ツ橋さんはヴィオラをアウトに配置しています。


 1曲目の悲劇的序曲。1曲目とは思えない大変な熱演でした。あまりの熱演に拍手も大きかった。しかし、私には重厚ではあるが、少々力みの強い演奏に感じられた。音も大きな音が鳴っているようで、ここ最近の岡フィルのホールの空間全体を鳴らす、という感じには至らず・・・。三ツ橋さんのタクトはオーケストラをドライブする力が強いが、それが力みに繋がっていなければいいが・・・と危惧していました。


 2曲目は、ある意味本日のメインディッシュになってしまいそうな、「ホルン王」(初めて聴いたこの表現。今回のコンサートのチラシに載ってた(笑))シュテファン・ドールによるR.シュトラウスのホルン協奏曲第2番。2年前の岡フィルとアンサンブル・ウィーン=ベルリンとの共演の際に聴かせてくれた、ホルン協奏曲第1番の演奏が凄すぎて・・・。あのホルンをもう一回聴ける!嫁さんともども何日も前から楽しみにしていました。

 「パーンパーン、パパパパーン♪」という最初の1フレーズが聴こえた瞬間、やっぱり度肝を抜かれた。やっぱりこの人のホルンは別格だわ。第1番の親しみやすい曲想に比べると、ちょっと構成が複雑な分、この曲は馴染むのが難しい筈なんですが、ドールさんのホルンの音、その表現の引き出しの多彩さをただひたすら追うだけで充分な愉悦に浸ることが出来る。今回は、先週、ちょっとプレッシャーのかかる仕事の後で、疲労感と頭痛に悩まされていたのだが、そういったものをドールさんのホルンの音が本当に吹き飛ばしてしまった。聴き終わった後、明らかに頭がすっきりしているのだ。

 第3楽章のパッセージなんて、並のホルン奏者なら演奏不可能な超絶技巧が必要だと思うのだが、まるで体の一部のように軽々と吹いて見せる。マシュマロのように柔らかい音色から、パリッとしたドイツ独特の音色まで、変幻自在に音色を変化させる。特に最後のパリッと響かせた倍音は胸がすくような思いで気持ちよく聴いた。この第3楽章のホルンの音を聴いていて、不思議な感覚になった。この雄大に鳴るホルンの音は、本当にステージ上のホルン奏者が吹いているのだろうか?なぜなら、ホールそのものが鳴っているようにしか、僕の耳には聞こえなくなっていたから、ドールさんがこのホールで演奏するのは恐らく3回目の筈だが、このホールの響きを完全に掌握しているようだ。
 

 オーケストラの伴奏も安定していて、特に第1楽章での1番ホルン(読響の久永さん)との掛け合いは聴きものだった。久永さんは、後半にドールさんが1番に座った関係で、後半は降り番になってしまったが、天下のシュテファン・ドールのホルンを向こうに回しての朗々とした演奏、これだけで存在感を示してくれた。


 後半のブラームスの交響曲第3番。勇壮なファンファーレ調の冒頭から音が違った。1曲目の悲劇的序曲には力みを感じ、アンサンブルもやや平板な印象だったのに対し、このブラームスの3番ではアンサンブルに明らかに奥行きと深みがでて、奏者もいい具合に力が抜けて、ホールの隅々まで最近の好調時の岡フィルの音が響き渡った。1曲目では、あの響きはシェレンベルガーにしか引き出せないのか?と若干不安がよぎっただけに、安堵したというのが正直なところ。
 三ツ橋さんのオーケストラのドライブは見事だった。弱音部分での繊細さや、音楽が高揚する部分でのダイナミクスの持って生き方は流石の一言。

 そして何よりもシュテファン・ドールが入ったことによって、金管・木管にズバンと大きな柱が通り、彼の音に皆が引っ張られ、これまでの岡山フィルからは聴いたことが無いような音が聴こえる瞬間がたびたびあった。ドールさんは恐らくオーケストラに溶け込むことに腐心しておられ、あまり目立たないようにしておられたように思うが、なんにせよ一人だけ全然音が違うので、どうしても耳でドールさんのホルンの音を追ってしまう(笑)それはオーケストラの奏者も同じではなかっただろうか?特に管楽器は彼が基準に(あるいは到達点として)音を作っていった演奏ではなかったか。
 第1楽章の10分過ぎの冒頭のファンファーレ調の再現部では、ベルリン・フィルの首席ホルニストの音とはかくや!と思わせる強奏で、協奏曲に続いて会場の聴衆の度肝を抜いた。
 夢のような時間はそれだけではなく、第2楽章の木管との掛け合いの部分でも、心が洗われるようなホルンの音に涙が溢れそうになる。なんと切ない…なんと心の現れる音であることか…。そして、それに応じた木管陣の音も素晴らしかった。
 第3楽章の終盤のホルン・ソロでは、ブラームスの孤独感を切ないまでに表現。

 オーケストラもドールさんに引っ張られ、三ツ橋さんの躍動感のあるタクトにも導かれハリとツヤのある素晴らしい音を堪能させてもらった。三ツ橋さんは、第4楽章では両足をどっしりと構え、手を大きく広げ、音楽を手繰り寄せたり開放したりするように、ダイナミックな指揮でオーケストラを引っ張った。僕自身は、この曲に関して内省的な面にクローズアップされた演奏が好きなので、激情ほとばしるような今回の演奏は好みではないはずなのだが、三ツ橋&岡フィルの世界にどっぷりと浸かり、確かな手ごたえのある演奏に、気が付けば喝采を送っていた。
 終演後の拍手は「熱狂的」ともいえるもので、ドールさんに対する賛辞とともに、回を追うごとに音楽の高みを上りつつある岡山フィルへの賛辞もあったのではないかと思う。

 定期演奏会には珍しく、アンコールもありました。「どこかで聴いたことがあるよなあ…」と思っていたら、ブラームスのセレナーデ第1番より第5曲「スケルツォ」。そういやあ、カンマーフィルハーモニー広島で聴いたなあ。
 最後の最後までドールさんが大活躍で、正直「こんなに働かせてええんかいな!」と思ったほど。これだけ吹いても全くケロッとした笑顔で拍手を受けるドールさん、素敵すぎる!
 三ツ橋さん、もし今後も岡山フィルにご縁があるならば、定期的に振っていただきたいですね。


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 終演後、いつものように夕食を求めて表町商店街へ。普段は夕方になると閑散としている上之町のあたりが、コンサート帰りの人波でごった返している(手前から奥向かう人のほとんどが、コンサート帰りの客)。今後は10月、12月、1月、3月・・・と、ほぼ2カ月おきに岡山フィルの定期演奏会が続きますが、例えばコンサートの客に表町商店街で使えるクーポン券などを配って、経済波及効果などを計測してみてはどうだろう。幅広い世代・性別・職業の人々が集まるオーケストラのコンサートが、中心市街地のにぎわいを生み出す起爆剤になりうることが証明されると思う。

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シュテファン・ドールが、岡山フィルの1日に限りの特別客演首席ホルン奏者!? [コンサート準備]

 明日の岡山フィルの定期演奏会。前半プログラムはシュテファン・ドールのホルンによる、R.シュトラウスのホルン協奏曲の第2番が演奏されるんですが、後半のブラームスの交響曲第3番の時にも、首席ホルンにドールが座るようです。



 明日は、三ツ橋敬子さんの指揮なのでシェレンベルガーは登場しないのですが、おそらくドールに「後半も乗ってくれないか?」と頼んだのはシェレンベルガー氏に違いなく、不在のコンサートでも存在感を放つ、我らが首席指揮者(笑)

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