So-net無料ブログ作成

チューリッヒ美術館展 神戸市立博物館 [展覧会・ミュージアム]


チューリッヒ美術館展 ~印象派からシュルレアリスムまで~
神戸市立博物館 

DSC00861.JPG

 「展覧会のみどころ」ということで、『圧巻!すべてが代表作!』と謳われていたこの特別展。その名にたがわぬ圧巻の作品群でした。

以下、展覧会説明文より 


 金融の街として知られるチューリヒは、スイスの富を象徴するような、優れた美術品の宝庫でもあります。そして、美しい街の中にあるチューリヒ美術館は、18世紀末に地元の芸術家や鑑定家たちが立ち上げた小さな集まりに端を発します。

 1910年にコレクションの収集と企画展開催を目的とした美術館の建物が落成し、その後、若き日のムンクやピカソ、ボナールなどの個展をいち早く開催すると同時に、スイス国内の裕福なコレクターからの寄贈を受け、コレクションを充実させました。現在は10万点以上の作品を所蔵しており、特に19世紀の印象派以降から20世紀にかけた近現代美術コレクションが優れていることで知られています。 
 充実した美術コレクションの中より本展では、19世紀後半から20世紀に活躍した、印象派からシュルレアリスムにいたる34作家の作品74点を紹介します。これらの中には、モネ、ドガといった印象派の巨匠をはじめ、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャン、ルソーといったポスト印象派・素朴派の画家、ボナールなどのナビ派、ムンクなどの表現主義、マティス、ヴラマンクらのフォーヴィスム(野獣派)、ピカソ、ブラックらのキュビスム(立体主義)、さらに、モンドリアン、カンディンスキーらの抽象主義、そして、ダリ、ミロ、キリコ、マグリットらシュルレアリスムの著名な画家たちの傑作が名を連ねています。また、ホドラー、セガンティーニ、ジャコメッティ、クレーら、スイスにゆかりの深い芸術家たちの作品も登場します。


 私は30代に入ってから西洋画を見るようになったんですが、その大きなきっかけが、大原美術館によく通うようになったからでした。
 美術館ギャラリーで行われるコンサートのたびに、そのギャラリーに展示されている西洋画の代表作を何度も見ているうちに、その作品を描いた画家たちに親近感を抱くようになり、海外の美術館の特別展などを見た時も、自分の中で「ああ、これは大原にもある〇〇だな」という、立ち返る場所みたいなものが出来た気がしています。

 そういう視点で見たことで、今回の特別展の素晴らしさが、なおいっそう感じることが出来ました。

 まず、今回の目玉作品の一つ、2m×6mのモネの「睡蓮」。
tu-2.jpg

 天井のそれほど高くない神戸市博に展示されていると、いっそうその巨大さが実感できました。僕が普段見ている大原美術館の睡蓮
oh-5.gif

 これは1906年の作品、この作品ではまだ蓮の葉や花がハッキリとわかりますが、今回見た睡蓮は水面から立ち上る瘴気のように、姿かたちが見えません。しかし、出来るだけ原色をとどめた絵の具が本当に輝くように描かれている。モネの庭に対する思いが強く伝わって来るようでした。

モネと言えば、次は『積みわら』
tu-3.jpg 

これ1891年の作品。

大原美術館の『積みわら』
oh-3.gif
1885年の作品です。

 大原美術館の『積みわら』は大原の作品の中でもお気に入りの一つですが、わずか6年間で全く違う作風。この6年の間に何があったのか?また勉強したいと思います。 

 もう一つ、『国会議事堂、日没』
tu-9.jpg

 圧巻の色づかい。テムズ川に映り込む夕日の美しさに息を飲みました。
 
 スイスと言えばアルプス、アルプスと言えばセガンティーニ、ということで。
 セガンティーニの『虚栄』
tu-10.jpg

 いつも親しんでいる大原美術館の『アルプスの真昼』
oh-1.gif

 いやー、やはりセガンティーニの『緑』は本当に奥行きがあるなあ・・・と思いました。この緑色はカミーユ・ピサロと並んで印象に残ります。
 一方で、これらとは全く色使いが異なる『淫蕩な女たちへの懲罰』という作品もあり、自分の知らないセガンティーニに触れた思いです。

 次にセザンヌ。『サント=ヴィクトワール山』
tu-5.jpg
 これを見た時、「なんか、どっかで見たことがあるような・・・」と思っていましたら、この絵の一部を切り取ってズームしたような作品が大原美術館にある
oh-2.gif
『風景』(白樺美術館永久寄託作品) 

 セザンヌは故郷のエクサン・プロヴァンスの風景を何十枚と書き残しているそうです。どちらもその風景を収めた作品。

 モンドリアンの『赤、青、黄のあるコンポジション』
tu-8.png

 前の職場に居られたパートの方が、このモンドリアンの図柄のTシャツを着ていました(爆)
 大原美術館にある作品はもうちょっとセル(と言っていいのかな)が複雑ですね。

 このほかにもジャコメッティ、ピカソ、ゴーギャン、ルソー、ドガ、ボナール、特にスイスの画家であるホドラーの作品の充実が光りました。

 最後に、僕が一番印象に残ったのは
 ゴッホ『サント=マリーの白い小屋』
tu-4.jpg

 この壁の白さは何なの?ほんとうにキャンパスが白く輝いていました。絵の前の滞在時間が一番長かった。ゴッホの絵に世界中の人々が魅了される理由が初めてわかった気がします。

 チューリッヒ美術館展の公式ページを見ていると、あの有名な(耳を切り落とした)ゴッホの自画像を収蔵しているのも、チューリッヒ美術館なんですね。

 もう、本当におなか一杯になった特別展でした。そして、やはり地元の大原美術館の偉大さも実感。大原美術館があって、気軽に足を運べる環境にあったから、こうして世界的な美術館の一級の作品群を目にしても、何らかの親しみを感じることが出来る。これは本当に大きい。次回、大原美術館に行ったときはまた違った印象を楽しむことが出来そうです。


nice!(2)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 2

コメント 2

としゆき

こんばんは。楽しく読ませて頂きました。
大原美術館、リピーターになってしまいますね。日本で歴史のある私立の西洋画の美術館といえば「東のブリヂストン美術館、西の大原美術館」でしょうが、ブリヂストン美術館はこのほど長期休館に入りましたから、なおさら大原美術館は常設の美術館として存在感が高まるかもしれません。ブリヂストン美術館には、セザンヌの「サント・ヴィクトワール山」が常設でしたが・・・。
モネは睡蓮・積わら・ポプラ・大聖堂など連作シリーズが多く、他の美術館でも収蔵作品がありますが、セガンティーニはエル・グレコに次ぐ貴重な作品ではないかと思います。20代から日本各地の美術館を巡ってますが、大原美術館はやはり抜群の印象が変わらないですね。
by としゆき (2015-05-26 22:46) 

ヒロノミンV

>としゆきさん
 コメントありがとうございます。
 大原美術館は学生時代を含めると、足を運んだ回数は10回を超えるかもしれません。美術館の方も、同じ作品を何度もリピートして見ることを進めていますが、ここへ来てようやく、その意味が分かってきた気がします。
 まだまだ、地中美術館もひろしま美術館も行ったことが無く、これから少しずつ攻めていきたいと思っています。 
by ヒロノミンV (2015-05-27 20:01) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0