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ロマン派の交響曲 金聖響&玉木正之 [読書(音楽本)]

 読み終ってから少し時間が経っていますが・・・・、少しばかり感想など。

 この本でも、金聖響氏が常識や定説に疑問を投げかけます。ドビュッシー=印象派、ブラームス=新古典派という、ある色分けの中に押し込めることに警鐘を鳴らす。ロマン派という分類も、『ロマン派という一つの系統は存在しない、古典派の時代から、楽器の発達や演奏法の変化を経て、色々な表現方法が可能になり、多彩な楽曲が生まれた』としている。
 19世紀は産業革命に端を発する、人類史上経験した事のない社会変動や新しい思想の潮流、あるいは国民国家の誕生など、まさに激動の時代だった。そんな中を生き、激動の人生を送った作曲家たちが生み出した、様々な個性豊かな作品群。それらは「みんな違うんだ」と理解する事が大事だと。

 シューベルト、ベルリオーズ、メンデルスゾーン、シューマン、ブラームス、チャイコフスキーと取り上げ、どの作曲家に対しても冷静な事実認識と、大きな共感を持って取り上げていますが、一番印象に残ったのはシューマン~ブラームスの系譜。

 楽譜の記号をドイツ語で記した、シューマンの決意をブラームスが引き継ぎ、そのブラームスの半音階進行の居心地の悪さや、苛立ちを感じさせる和声進行、は「新古典派」とひとくくりにするには、あまりにも斬新なアプローチであり、それはマーラーにも引き継がれていった・・・。

 印象に残ったのは、聖響さんがアメリカの音楽大学時代に図書館で接した、恐らく2度と演奏される事のない、何百・何千という知られざる作曲家たちの知られざる楽曲の楽譜たち・・・。
 僕たちは、天の川のなかの、ほんのいくつかの綺羅星を眺めているにすぎないのかもしれませんが、星屑たちの輝きの中で、とりわけ燦然と輝く傑作群、それがロマン派の最大の魅力かも知れません。

ロマン派の交響曲~『未完成』から『悲愴』まで (講談社現代新書)

ロマン派の交響曲~『未完成』から『悲愴』まで (講談社現代新書)

  • 作者: 玉木 正之
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/05/19
  • メディア: 新書

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